飛べない蝙蝠(こうもり)
作詞・作曲: 小椋桂
朝の光が今日は目に痛い
通り過ぎ行く人に声かけて名前尋ね
何となくただ手を組んだりして 歩いてみようと思うけれど
すぐに僕の中のどこかで どうせながつづきはしないと言う
肩に気まぐれ風の誘い声 黒い翼でもう一度
空飛べと がけに登りがむしゃらにただ君を呼んだりして
はばたいてみようと思うけれど すぐに気がつくだろう
空の上からまいおりる場所もない
できることなら白い雲の果て 遠く浮かんで消えゆく
風船の姿まねて 誰の目にもとどかぬ世界へ
飛んでゆきたいと思うけれど すぐに明日になれば
又別のことを考えている僕だろう
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「がむしゃらにただ君を呼んだりして はばたいてみようと思うけれど すぐに気がつくだろう 空の上からまいおりる場所もない」
この歌を聴くと、足がすくむような感覚を覚える。
ぼくもこれまでに空を飛ぶ夢を何度も見たが、いつも降り方がわからないで焦る夢ばかりなのだ。
それが理由なのかはわからないが、「空を飛びたい」という願いを行動に移したことはない。
ぼくは死なない程度には未来を予測して行動を決定しているのかもしれない。
一生の中で、ぼくが空を飛ぼうとすることはもうないかもしれない。(例えば、セスナの免許を取るとか・・・)
「すぐに明日になれば 又別のことを考えている僕だろう」
明日は、まだ同じことを考えているかもしれないし、また別のことを考えているかもしれない。
ぼくが空を飛ぼうとする可能性は、死ぬまで決してゼロにはならない。
なんだかそんな前向きの歌にも聴こえてきた。