下からは見えないが、ツバメの巣は電柱の上にあるらしい。
上で鳥の争うような声が聞こえて、体長5〜6センチの雛が落ちてきて、アスファルトにたたきつけられる。
羽には少し毛が生え始めている。もう少しで飛べたのに。
飛べる生き物であるがゆえに、巣は高いところにつくる。無力な雛にとって、飛べるようになるまでは、重力が敵となる。
どうしたら、死ななかっただろう、と考える。
アスファルトが柔らかかったら。巣がもっと低いところにあれば。元々、飛べる生き物でなければ・・・
いや、飛べる、というぼくらにとってまぶしく見える魅力があるゆえに、ぼくは考え込んでしまうのだ。
魅力は、リスクでもある。そして、それが魅力たる所以だ。