軽井沢アートミュージアムへ千田泰広氏のインスタレーションを観に行った。
千田氏に関しては、前に一度書いたことがある。
http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110722
http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110723
提示された15坪の暗がりには、無数の小さな輝きがゆっくりと静かに移ろい、天体の運行を想起させた。
だが、その輝きは幽かで細い線を成しているがために、まるで金属の表面についた無数の傷が、光に照らされて浮き上がるかのようにも見えた。
闇に刻まれた無数の傷。
それは、ぼくらが生きていくことによって、不可避的に刻まれていく傷ではないか。
太陽の下では決して見えない、暗がりの中で目を凝らすことによってはじめて見えてくる無数の小さな傷は、いたるところに刻まれている。
だから、その闇はぼく自身でもある。
癒しではない。静かに、考えることを要求する。そして、変わることを、もしくは、変わらないことを要求する。
現在・過去・未来がその小さな空間に包み込まれていた。