2012-10-18 やさしい雨 詩 2012.10 地下鉄の出口を出ると、かすかに冷たい水滴を感じる。「あ〜めぇ」言葉を覚えたての陽向が、荷物を積んだベビーカーを一緒に押しながらうれしそうにつぶやいて、雨空を見上げる。まんまるな目で。それはやさしい雨だ。きっとこのシーンは私の大切な記憶のひとつとなって残されていくだろう。永遠に?私の記憶は私の死とともに死んだとしても、きっとこのやさしい雨は私を少しやさしくして、人への接し方を少し変えるだろう。そうやって、有限の未来は、永遠に変わる。 ← グリッドフレームのHPはこちらです