2010年。北野武監督。
北野武監督の暴力映画。監督はテレビのインタビューで、笑いと暴力は同じだ、と語っていたそうだが、どうなのだろう?
http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/12162.html
百歩譲って、勧善懲悪的な暴力は見ている者に爽快感を与えるかもしれない。だが、それもやりすぎだと、不快でしかない。
暴力を二つに分けるとすれば、再生可能なダメージを与える場合と、再生不可能なダメージを与える場合があるだろう。
殺人は後者の最たるものだが、この映画はことごとく再生不可能な暴力が連続する。
たけしのブラックな笑いは、より強くなって再生するような暴力を意図しているのではないのか。
だから、笑いとこの映画の中の暴力は同じものではない。
「キッズリターン」の中の暴力は、再生可能だった。だからぼくは、あの映画の中の暴力を支持するが、この映画の中の暴力は単に嫌悪の対象だ。