2005年。イスラエル。
アラブ人とイスラエル人。
延々と続く抗争で、それぞれの人生は、積木を積んでは崩され、積んでは崩され、の繰り返しを余儀なくされている。
共感と敵意。その微妙なバランスの中で、敵意に大きく傾いた瞬間に爆弾が炸裂する。
だから、どちらも分かりすぎるほど、分かっているのだ。
分かっているのに、振り子が揺れている限り、その連鎖は止まらない。
争いは、笑いになり、笑いはまた、争いになる。
ときおり、私たち一体なにをしてるんだろうね、と肩を叩き合う。
最後のシーンの、商売の金のやり取りでもめる女性ふたりの会話風景が、両者の関係を象徴している。