「好き嫌いがない」という言葉がある。
例えば、食べ物について好き嫌いがない、というとき、子供は必ず褒められる。偏りなくなんでも食べるからである。
つまり、「好き嫌いがない」とは「嫌いなものがない」という意味で使われる。だが、「全部好き」なのか、「好きというわけでもない」のかは、問われない。
実際、そのふたつはえらい違いであるはずだ。前者は味に対して興味があり、後者は興味がないのだから。
ネガティブでなければよい。問題にならなければOK。そういわれながら、僕らは暮らしている。
あとは僕らの自由だ。興味があろうが、なかろうが。気力があろうが、無気力だろうが。ほっといてくれ。それは、あんたの問題じゃない。
迷惑はかけてないだろ。
・・・そう、それが社会生活の基本なのだろう。物理的に死んでいなければ、生きているか、生きているわけでもないか、は本人の自由である。
「お元気ですか」という言葉がある。何気ない言葉だが、これは紛れもなく、ポジティブを尋ねるものだ。
私が人として、人に語りかけたいのはこのひとことで言い尽くされる。
お元気ですか。