gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

変身

老若男女、誰もが入りやすい空間。そのキーワードの一つに、「変身」があると思う。


ディズニーランドは、もっとも分かりやすい例だろう。アトラクションごとにジャングルに入ったり、宇宙へ飛んだり、場の設定が急激に変わることによって、自分と社会との関係性が変化する。一瞬にして、自分は探検家になり、宇宙飛行士に「変身」する。ここでは、「見る・見られるの関係性」がカッコに入れられるため、人は奔放になれる。

映画館も同じように、暗がりの中で人間が「変身」する場である。


上記は、娯楽的、非日常的要素を含む場であった。

もっと日常的な誰もが入りやすい空間もある。

例えば、銭湯ののれんをくぐるとき、人は「見る・見られるの関係性」をカッコに入れる。そうでなければ、気楽に服を脱げないだろう。のれんをくぐる瞬間に、人は共同体のルールによって守られたちょっと違う場の中に足を踏み入れる。そこで、ちょっと違う人間に「変身」するとはいえないだろうか。

ただ、共同体のルールによって守られているのだから、そのルールに馴染んでいない人、例えば外国人には、ハードルが高い場だろう。


どこかへ足を踏み入れる、という行為は勇気のいる行為だ。人は、素のままでは境界を越える決心がつきにくい。だから、人をちょっと「変身」させることによって、入りやすくする。

それが人に仮面を被せることでないとすれば、人と社会との関係性にゆらぎを与える、ということだろう。

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