gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

奮い立たせるもの

遠藤周作の「イエスの生涯」を読んだのは遠い昔で内容はほとんど憶えていない。だが、その主題は「あれほどダメ人間だったイエスの弟子たちが、イエスの死後、どうしてあんなにも過酷な布教活動にいそしむことができたのか?」を考えることだった、というようなことが書かれていたことだけは鮮明に憶えている。

エスの死がなぜ彼らを奮い立たせたのか。それは、キリスト教の根本的な問いであるに違いない。なぜなら、宗教の本来的な役割は「人を奮い立たせること」ではないかと思うからである。

ボクシングはハングリーな方が勝つ、という場合は、例えば、貧乏から抜け出したいという強い思いが、ボクサーを奮い立たせるということだろう。

奮い立たせるものを持っている者は強い。往々にして、それ自体はネガティブなものだったりするが、ネガティブを振り払うための力はときに能力の限界を超えることだってあるように映る。

だが、ネガティブをバネにするだけで、他人を幸せにできるだろうか?

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