矢本駅から石巻駅までは鉄道が復旧している。石巻に着くとタクシーに乗り込み、「被災地へ行ってください」と伝える。石巻市では、３２８０人の死亡が確認され、なおも６２９人が行方不明なのだそうだ。
５０代半ばに見える運転手さんも、津波で家を流されてしまったそうだ。現在は、仮設住宅に住んでおられる。
この運転手さんが快く案内役を引き受けてくださった。
駅から５分くらいで着いたのが、一面に広がる平らな土地。そこに、ぽつんぽつんと建物の残骸がある。
その中でひときわ目立っていた小学校跡へ。
↑石巻市 門脇小学校
↑１階の教室 ヘドロの跡
１階を津波が襲い、その後、流されてきた車の火災で３階まで燃えた。ここへ避難した人は、全員がさらに後ろの丘へ避難して無事だったそうだ。その中に運転手さんの家族２人も含まれていたらしい。家族が別々の場所へしたので、２人と会えたのは震災から３日後だったそうだ。
つい数日前の紅白歌合戦で長渕剛がこの校庭で歌っている。（先程youtubeで観た。）歌う前に、「目の前には、漆黒の闇が広がっています。」と彼は言っている。確かに、夜になれば小学校の校庭から海側を見ると、誰一人いない平らな土地がただ広がっているだけだ。
（つづく）
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