↑総合病院横の薬局。下水管が壊れて、川の水が逆流し池ができた。
↑水産工場から流れてきて、道の真ん中で止まったタンク。このままの状態で保存されることが検討されているという。
↑パチンコ店。店員が避難を呼びかけたところ、「この玉をどうするんだ!」と怒る客たちが店員に詰め寄った。そうしているうちに、たくさんの人がここで波にのまれたそうだ。
震災当時、自衛隊の活動は救助活動が優先されて、遺体は置き去りになった。この地区では遺体が片付けられるまで一週間かかったそうだ。
遺体から財布を抜き取る人もいたし、壊れた店に忍び込んで金目のものをごっそり盗む人もいた。
数日は食べ物がなくて、タクシーの運転手さんは、水に浮いて流れてくる缶詰を拾って飢えを凌いだそうだ。
運転手さんは、最後にこうおっしゃった。
「震災のときに、人の本性が分かりました。」
食べ物を分け与える人、うずくまった人に声をかけて手を貸す人がいれば、食べ物を一人占めにする人、横で倒れている人がいても助けない人がいる。それは、このような状況が起きないと分からない。
事実、いい人だと思っていた人が実は利己的だったり、うさんくさいと思っていた人が実はとてもいい人だったりした。
道端でうずくまっていると、派手な格好のあんちゃんたちが声をかけてくれた。人は見かけによらないものだ、と。
(つづく)