都会とはいえ、空き地はそこらじゅうにある。
「土地が泣いている」というコピーをどこかの不動産会社が使っていたように思うが、それは不動産屋の論理であって、土地は実にのんきに笑っているようにも見える。
せっかくビルを建てたら、誰もテナントが入らない、というビルも多い。泣いているとすれば、そんな建物の方だろうか。いや、空き家のままでいる建物も、やはりのんきに笑っているにすぎない。
決して、空き地や空き家が泣いているわけではない。有効活用などというお金の都合に彼らは無関心だ。本質はそこにはない。
経済論理から離れたところから始める。感性のアンテナを立てて、人間が生きる姿を投影する。
うたが聞こえてくる。風を感じる。