建物の正面をファサードと呼ぶ。建物の顔といってもいい。
建てられるときは、かっこよくデザインされたにもかかわらず、その後使い始めるとダサくなってしまうことは少なくない。
特に、商業ビル。原因は、看板だ、と言われる。
テナントたちは、互いにより目立とうとして、ファサード部分でよいポジションを得ようと競い合う。
テナントの立場で考えると当然のことだ。が、目立ちたい気持ちが前へ表れるのはとても美しいとは言いがたい。
大型チェーン店が周囲を無視してドーンと前に看板を出しているのはドン引きだが、個人オーナーの店についてはがんばれという気持ちになったりする。
看板たちへの印象も、ちょっと複雑だ。
いずれにせよ、かっこよく建てられたにもかかわらず、看板に覆われてしまって、デザインが無意味になっている場合が多い。
どこに美しく変えていくための活路を見い出すか。
看板を規制するのみでは片付かない。いきいきとした美しいファサードを実現するための方策を考えるのは愉しい。