gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 ポロック その2

ポロックは自殺にも近い車の暴走事故で44歳で亡くなる。

もちろん、ひとりの人間が死を選ぶ理由は分からない。だが、映画の中での理由は想像はできる。

彼は自分が開拓した技法をさらに発展させることができなかった。発展させることはできないまでも、試行錯誤をずっと繰り返すことができたなら、死ぬことはなかっただろう。

そして、試行錯誤を繰り返すためには、妻リーを必要とした。その妻が、出て行ってしまったのだ。

妻リーは夫を献身的に支えたと同時に、自身も画家である。富と名声を得た後に、酒におぼれた夫をもう一度奮い立たせることはできなかった。

ニューヨークの画壇で成功した人物は、あまり幸福な余生を送れていないような気がする。特に、アーティストであることに誠実であろうとすればするほど、簡単に崩れていった。ポロックもその典型だろう。

富、名声、メディアの負の力に対抗するには、純粋なアーティストはあまりにも無防備だ。

彼の自殺行為は彼とは無関係の若い命を道連れにした。映画のようであったとすれば、それは殺人だ。

なぜ、そうならざるをえなかったのか?

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