gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 二十世紀少年読本

サーカスの映画はどれも哀しい。体をはって人を楽しませる仕事には嘘がない。すべてがあけすけに見えてくる。だから、哀しい映画になる。

学生時代にこの映画を観たとき、嘘のない仕事につきたい、と思った。それは現在の仕事につながっていると思う。

嘘のないサーカスの世界から飛び出した主人公は、任侠の世界に入ることになる。つまり、嘘だらけの世界に。そこで、嘘だらけの生活をしている女と知り合い、二人で逃げ出す。追われる二人は、最後に夢のように輝くサーカスのテントへ帰っていく。

私たちは、嘘だらけの世界から、嘘のない世界へ帰る時期にさしかかっているだろう。そのような説得力を、この低予算のモノクロ映画は十分に醸し出している。