子供の頃は、極端に言えば、ジュースといえばファンタしかなかった。食料品店へ行けば、欲しいものはファンタだけだった。そして、ファンタを飲めば、幸せな気持ちになれた。
今、のどが渇いてコンビニへ行くと、たくさんの種類の飲み物が私を待ち構えている。だが、どれとして、飲みたいものが見つからない。そして、何かを飲んだとしても、あのときの幸せな気持ちとは程遠い。
選択肢が増えたことが、手にする一つの価値を下げてしまったのだろうか?
選択肢が少なかった頃の方が、なんだか幸せだった、と思っているのは、おそらく私だけではない、と思う。
単なる懐古趣味だろうか。今日も私はコンビニで途方に暮れて、立ち尽くした。