gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

品揃え

歩いていて、のどの渇きを感じた。

コンビニの横を通るので、何を買おうか、と考えた。いろんな種類が浮かんだが、どれも今自分が欲しているものに合致しない。だから、ワクワクしない。なんとなく不満を感じる。

これが結構、現代人の不満一般を表しているのではないか、と思う。

たぶん、ぼくが子供の頃にはなかった不満だ。

その頃は、ジュースといえばファンタオレンジとファンタグレープだった。他になにもないのだから、迷うこともない。

それに、のどが渇いても、近くに店がなかったから、1kmほど歩いた先にようやく手に入れられるジュースを思い浮かべるだけで、まさにそれを渇望した。

あの毒々しい甘すぎる液体を、今あるどの飲料よりもおいしく感じていた。

不満など、入り込む余地がなかった。

失ったものを取り戻していくためには、いつも「必要」という言葉へ帰るとよいだろう。

不便を楽しもう、という人たちも増えている。生活の中に「必要」なものを実感できるからだ。

ぼくらが求めた「余裕」は、不必要な存在を大量に生み出して来た。

もう品揃えはいらない。


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