gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

ソトチクが拓く未来

例えば、いなくなった身近な誰かのことを言葉で表現して、その人の存在を感じることはとても難しいですが、その人が暮らした部屋に入ったときに、まるでその人がそこにいるかのように感じる経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

古い壁の風化の跡も、その断片が新しくつくられる内装空間に残されるだけで、そこで過ごす人は、その時代に生きた人の気配を感じ取ることができるのではないか、と想像しています。

そのくらい、ものが持っている言語化できない情報量は多いと思うのです。


私たちは単に、古いものに囲まれた懐古的な空間をつくろうというのではありません。新しい空間づくりに、「朽ち滅びていくもの」と「新しくつくるもの」という逆向きのベクトルを共存させることで、過去の違う時代に生きた人と現在をあたかも一緒に生きているかのように、ほのかなつながりを感じられる空間をつくりたいと思っています。

そして、そのような空間は未来に生まれ来る人達へも、現在や過去を繋げていく役割を担っていくものになるでしょう。

今はほぼすべての空間が新しい材料だけを使用して、いわば「核家族的」につくられていますが、SOTOCHIKUによってかつての3世代、4世代で一緒に住んでいた頃の温度を取り戻していくことにつながるのかもしれないと思っています。



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