gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

CGについて

グリッドフレームでは、プレゼンにコンピュータ・グラフィック(CG)を使用しないことに決めている。

第一に、CGは完成形の説明を目的として開発されたものであり、グリッドフレームの「つくりながら考える」というプロセスにそぐわないからである。

第二に、CGによってドラマチックな空間を表現することはあまりにも簡単であり、質感や照明の効果が過剰に表れる点で、誠実なツールとは呼べないと考えるからである。例えば、壁の仕上げがレンガがプリントされた壁紙なのか、実際のレンガなのかは、できあがってみれば高級感や素材感が全く異なるにも関わらず、CGでは同じ絵によって表現される。CGはクライアントに誤解をもたらす可能性があり、その場合、クライアントはできあがりに落胆することになる。

第三に、CGは、誰が描いても同じ絵ができあがる。(と私は思っている)

以上、三つの理由によって、グリッドフレームでは、手がかかったとしても、手描きのパースを作成している。(ただし、色はphotoshopでつけている。)

手描きだと、パースを描きながらどんどんデザインを進めていくことになる。それは完成形の説明ではなく、どのような空気感を持った空間をめざすか、というつくることに携わる人間たちのキーワード的な役割を果たすものである。もちろん、手描きなら、描く人によって全て違うものができあがる。

かけがえのない存在として、つくることに関わろうとする意志の表明である。