gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

アーティストの定義 その3

つくる課程の中では、意図がそのまま実現された部分と意図からはみだした部分とが両方現れる。

例えば、壁に白いペンキを少し塗った場合。意図の通り、白い壁が実現した部分と、元の壁についていた汚れが白いペンキに混じり、濁った色が出現した部分があるのを想像してほしい。

職人は濁った色の部分を見て舌打ちをするだろう。しかし、アーティストは濁った色の部分を見て、さて、これを何かに使えないだろうか、と考えるだろう。

職人は「する」ことにこだわり、アーティストは「なる」ことを喜ぶ。

私の定義では、この違いが最も重要だ。

(「なる」の空間、へつづく)http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100331/