gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

アーティストの定義 その2

アーティストと職人の違いについて、もう少し、書いてみる。

純粋なアーティストも、純粋な職人もいない、という前提の上での話である。

アーティストは、まず、自分の持っているものがあって、それに世の中を合わせようという姿勢でものをつくる。職人は、まず、世の中が求めるものがあって、それに自分を合わせようという姿勢でものをつくる。

ゆえに、アーティストであると宣言することは、取替えのきかない存在であることの表明であり、職人であると宣言することは、取替えのきく存在であることの表明である。

しかし、世の中の側から見ると、職人はわかりやすく有用な存在だが、アーティストは扱いづらい、もしくは、扱い方がわからない存在である。また、アーティストの高い自意識はときに鬱陶しいものと取られかねないが、職人の自意識にとらわれない気質は心地よいものだったりする。

アーティストが、社会のシステムの中で広く必要とされるためには、この悪印象を拭わなくてはならない。

(つづく)http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100319