gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

夜と霧 3

「人間の苦悩は気体の塊のようなもの、ある空間に注入された一定量の気体のようなものだ。空間の大きさにかかわらず、気体は均一にいきわたる。それと同じように、苦悩は大きくても小さくても人間の魂に、人間の意識にいきわたる。人間の苦悩の『大きさ』はとことんどうでもよく、だから逆に、ほんの小さなことも大きな喜びとなりうるのだ。」

大きな苦悩を抱えて持ちこたえるには、匹敵する大きさの素晴らしいことが必要なわけではない。例えば、ほんの小さなユーモアがあるだけで、それは人間の意識にいきわたり、大きな喜びと変わり、一瞬でも苦悩を忘れることができる。

「ユーモアとはまやかしに過ぎない。」とフランクルは書いている。しかし、にもかかわらず、生きるために必要である理由はここにある。