風邪気味の体を布団にくるまって温める。
半分夢見ているように、ぼくには、SOTOCHIKUの空間が心に浮かんでいる。
朽ちて崩れていく柱が、つくられた周囲の空間の中に、ひっそりと佇む。
静かなミニマル音楽をバックに、その空間に心が反応する。
美しい、と感じる。
その瞬間、呼吸がすうっと楽になる。
ミニマル音楽が呼吸と重なって、残像が心に語り続ける。
ゆったりとした大きな呼吸をひとつひとつ繰り返すたびに、体が楽になっていく。
映像と音楽。そして、その実在としての空間。
こんなに美しさに正面から向かい合える瞬間をつくれることは稀だ。困難ではないはずにもかかわらず・・・。
美しさを感じる心は、治癒力を持つことを確信した。