ぼくの仕事は、ストーリーを生み出す仕事だ。
ある空間をつくるために、その条件を掬い上げて、ストーリーをつくる。
真剣に言葉を探そうとする日がもう5日ほど続いている。
3日目に結びそうだったストーリーは、かたちを見せないまま、透明な空気に消え去った。
でも、あきらめてはいけない。
かたちが表れようとして消える、この繰り返しは、あきらめなければ、消え去った回数が多いほど、自分をまだ見ぬ遠い所へ連れて行ってくれる。
そう、あきらめなければ。
あきらめてしまえば、残るものは何もない。0だ。
60や、70はない。
到達できたとしたら、100が待っていることを知っている。
そんな時間を生きている。
きっとこのクライアントも、そのように生きてきたのが分かる。