例えば、ケーキ屋はおいしいケーキをつくることが本業なのだが、ケーキの価格が下がりすぎて、売れたとしてもまったく利益が出ないと聞く。だから、焼き菓子の贈答品で利益を賄う。
つまり、本業だけでは暮らしていけないのだ。同様に本業では暮らしていけない業界がたくさんあるだろう。
店舗内装の業界も低価格競争で、永く続く、よい店舗をつくる、という本業だけでは暮らしていけない業界になっていることを肌で感じながら、あえて、永く続く、よい店舗をつくることに集中している。
そうやって生き抜くことは容易ではないが、ぼくらが続けないと、多くの人が本業だけで生きていける未来は訪れない、と信じて。
ただひたすら、よいものをつくろう、というエネルギーを注ぐことで一生暮らしていける未来をつくりたい。
そのような考えの人たちは他の業種にもいる。グリッドフレームのクライアントにもたくさんいらっしゃる。
本業だけで暮らしていけるためには、業種の境界を越えて、みんなでそれを追求していかなければならない。
そのような人たちが集まって店をつくれば、永く続く店ができあがるのであれば、金融機関だって融資をしやすくなるだろう。
ポジティブの連鎖を起こしていく。今は夜が明ける直前だと信じている。
そうやって、社会は変えていける、と思う。