遥か昔に建築家の石山修武が本で紹介していた、海からの漂流物だけでつくられたという伴野一六邸。
渥美半島老津町の海辺に住みながら、遠いどこからか波によって運ばれてくるものをしゃがんで拾う男の姿を想像しただけで、たまらなく愛おしい気持ちになる。
ぼくがSOTOCHIKUによって実現したいのは、まさにこういう建築だ。
遠い場所から集まってくるものたちを吟味しながら、ひとつの空間をつくる。
外の世界からやってくるものでつくるから、ソトチク。
近い未来を予想し、また外部と出会うことを繰り返す。
予定調和になりえないことの喜びは、そのまま、つくることの喜びだ。