空間は、これら二つの世界を見えやすくする数少ないメディアのひとつだと思う
よって、それぞれの世界認識を前提に空間をつくることを自分たちに課したい
<とりかえ自由な世界認識でつくられる空間>
・目的に合致したものだけで構成される(合目的性)
・その空間に想定外の新しい発見は求められない
・成功例をそのまま持ってくる(ex. Pinterest)
・アイディアや発見は手段として求められる(エンジニアリング的)
・つくる人の愉しみは、問題にならない
・二番煎じがつくられることが多い(実現性が高いから)
・機能性(早い・便利・快適など)や一義性が求められる
・データで示されることが価値である
・「する」の空間
・完成のイメージ通りにつくられる
・しばらくすると、飽きられることが多い(イメージが一般化されるから)
・だれもが同じように空間を愉しめることを目的とする(ex. International Style)
・つくる人はとりかえ可能だと考える
・詩的な要素が入り込む余地がない
<とりかえのきかない世界認識でつくられる空間>
・今目の前にあるものを素材として、考えながらつくられる(今ココ性)
・訪れる人が想定外の新しい発見をする可能性がある
・前例がないため、冒険的
・アイディア・発見は目的・手段双方に関わる
・つくる人が愉しんでつくることで、その愉しさが空間を訪れる人に伝わる
・プロジェクトの当初は想定されていなかった要素が入り込む
・機能よりも、外部性・他者性・多様性が求められる
・データ化されないものやことの集積
・「なる」の空間
・できあがりのイメージは、最後まで明確に示されない
・その多様性から、飽きられることがない(混沌は一般化できない)
・だれもが違った魅力を受け取ることを目的とする
・つくる人を信じて任せる
・詩的な要素がプロジェクトをつかさどる