空間が醸し出す雰囲気についていえば、スキルと時間が自分にあったら、自分で空間をつくりたい、とおっしゃるクライアントはたくさんいる。
その部分を、他人に頼むと思い通りにはならないからである。
仮に、思い通りにできるくらいに、微細なところまでクライアント自身で設計図を準備したと思っても、どこか違ってくる。
表現の部分については、必ずニュアンスというものがあるからだ。
他人はお金と引換えに請けるとすれば、仕事を終えた後にクレームが来ない、ということが第一になってしまう。だから、ニュアンスに関わることを嫌がる会社がほとんどだ。
自分の感性に従って、ニュアンスを表現しようとすることは、暗闇の中の跳躍みたいなものだ。
そんなに無理をしなくても、ちゃんと会社が成り立つならば、それでいいじゃないか、と。
これは、現状の社会の姿勢の表れだと思う。
ぼくらGRIDFRAMEは、ニュアンスを主軸に置いている。
傍から見れば、暗闇の中で跳躍しているように見えるかもしれないが、本人たちにそんな認識はない。
こうしなければ、クライアントも周囲も自分たちも、未来へ向かって愉しく生きられない。
逆に、こうすれば、クライアントの思いを超えることもできるかもしれない。
そう信じるだけだ。
