gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

スピノザ研究者

安富歩氏のスピノザについての話だったが、頭に残ったのは、スピノザについての本を書いた清水礼子氏の話だった。

 

スピノザ肖像画の温かさに惹かれてスピノザを読み、その思想に人間的なものを感じ取った安富氏に対して、清水礼子氏はスピノザの「エチカ」から「とてつもない冷たさ」を感受したという。

 

安富氏はその背景に、清水氏の「主張のある人間たち」に常に虐げられてきた経験があるのではないか、と推理する。

 

そして、清水氏によるスピノザについて書かれた本から、むしろスピノザよりも清水氏の人生が浮かび上がる、と述べている。

 

そのような意味で、唯一無二の価値のある本である、と。

 

ぼくもそのような空間をつくろうとしているのだと思う。

 

つまり、クライアントの考える内容よりも、クライアントという人間を浮かび上がらせるのだ。

 

空間はそれを伝えるメディアとして非常に有効で、そこに唯一無二の価値がある。