gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

no problem

ぼくが育ってきた時代は、テレビ全盛期で一億総中流と言われた時代で、ほとんどの人が自分は幸せだと思っていたように思う。

 

ああ、あの時代はよかったなあ、と思い出す人が多いと思う。テレビから発信されるような家族の団欒が、それぞれの家にもあった。全員で食卓を囲んで、明るい会話が飛び交う。

 

ぼくの家もそうだった。その典型ともいえるかもしれない。

 

理想郷とは、そんな世界なのか。

 

社会を意識することもなく、自分の興味を追いかけた。それができる時代だったはずだ。

 

だが、ぼくはぬるま湯に浸かっていると感じていた。どんな興味も薄っぺらい。全身で追いかけるべき目的が見えない、と。他人と同じものを追いかけるために、ぼくらは生まれてきたわけじゃない、と。

 

中学・高校時代は、そんなわけで鬱々としていた。表面に出ていたわけではない。うまく振舞うこともできた。そして、それも嫌悪していた。それでいて、余裕を失うほどでもない。

 

ぼくが不満を言うときは、ぼくは大丈夫であることをぼくは知っていた。

 

No problem is problem.

 

But, no problem.

 

このループの中にいた。

 

理想郷とは、実はそんなものかもしれない。