gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

システマティックとクリエイティブ

予定調和と予定不調和と書くと、どうしても予定不調和の方に肩入れしてしまうから、それを別の側面から見て、こう書いてみた。

 

「仕事には、大きく分けるとこの二つがある」という視点でぼくは生きている。他の人にはもっと別の視点があるだろう。だから、この文章は、ぼくにしか通用しないかもしれないことを先に断っておく。

 

予定調和の仕事には、さらに利権によって閉じた世界と、そこからはみ出した世界がある。はみ出した世界にいる人は、価格競争の中で喘いでいる。

 

ここにいる人たちはシステマティックな世界にいる、と言ってもいいだろう。既存システムがあるから、予定調和なのだから。

 

さて、一方でクリエイティブな世界とは、既存システムにないものを新たにつくろうとする世界だ。アーティストはここにいるし、デザイナーも片足を突っ込んでいる人もいる。

 

で、ぼくらはアーティストなのかもしれないし、クリエイティブに片足を突っ込んでいるデザイナーなのかもしれない。最近、SOTOCHIKUを始めてからは、周囲にもそういう認識が広まってきているのを感じる。

 

上の文章から、デザイナーにはシステマティックの世界にいる人とクリエイティブの世界にいる人が混在する。建築や空間の業界では、それらが明確に分けられていない。これがぼくらを苦しめてきた。

 

一般には、かっこいい空間をつくる人は、クリエイティブなデザイナーだと思われているが、既存のデザインの情報が世界から即座に集まる今日では、かっこいい空間をつくる人がクリエイティブであるとは限らない。二番煎じ、三番煎じでも十分かっこいい空間はできあがるのである。

 

真似をするにも優れた感覚を必要とする。だから、かっこいい空間をつくる会社には必ず感覚の良い人は必要だ。それは認めるが、そんなものばかりをつくっていては世の中はちっとも進んでいかない。

 

(つづく)