(昨日からつづく)
だから、新しいモノを人は求める。
建築や空間に新しいモノを求めるとき、ぼくらのようなクリエイティブな世界にいる会社に声がかかる。
だが、そのとき問題なのは、新しいモノを考える前には、お金が支払われないことだ。クリエイティブな会社の価値は提案前の思考に属する。
成果報酬という考えは、システマティックな会社に対して取られるべきなのだ。
ぼくらがこの二十数年、全身全霊を傾けた多くの提案のうち、半分近くは闇に葬り去られた。そして、いくつかは報酬もないまま、他の会社により無断で使用された。
この国でクリエイティブであろうとすることは、依然として嘲笑われることだ。つい2年前までは、、、。
この国の悪しき性質は、この不景気が続く30年でさらに強力になっていったが、、、コロナがその力を急速に弱毒化しているように映る。
システマティックとクリエイティブは、共存しなければ社会は成立しない。大事なことは、クリエイティブの火を消さないことだ。
そのためには、クリエイティブに対するお金の流れについての考え方を社会が徹底して改めること。予定不調和を求めるなら、お金は仕事に取り掛かる前に支払われるべきで、あらゆる提案を闇に葬らないことを前提に依頼をかける、という倫理を確立しなければならない。