富の集中を緩やかにするために、また、公共的な価値の高いプロジェクトが円滑に進むように、ポズナーとワイルは「共同所有自己申告税(COST)」の導入を提唱している。
自分の所有物(資産)の価値を自己評価しそれを公表する。それが留保価格より30%高ければ、「税率」が30%かかる。
その価格よりも高い額を支払ってもそれを欲しいという入札者が現れたら、それを売ることを義務づける。入札者は、一定の確率で表れる。これを「回転率」とする。
この回転率が高いほど、高い値をつけることができるが、それだけ多額の税金を支払わねばならない。
税金を安くするために低い値をつけると、回転率が上回り、すぐに他人のものになってしまう。
自分の所有物に固執して、絶対に売れないような高い値をつけるならば、その人は多額の税金を支払わねばならない。
これらは、一般的に価値を認められるモノについて、使用が促進される制度だ。
では、SOTOCHIKU素材や汚しうる美の対象物など、その人が単独的な価値を認める何かに対してはどうか?
それが一般的な価値とクロスオーバーしていない限りは、他人はほとんど価値を認めることはない。
回転率が上がらない限りにおいて、単独的な価値(一対一の関係における価値)のあるものは、SOTOCHIKUの寄付のシステムなどによって、共有されていくだろう。