頭にある粉瘤とは、もう26年の付き合いだった。
最初の頃は指で触るとわかるくらいで誰も気づかないくらいだったが、今は3センチくらいの直径になって、外見的に気になって久しい。
とはいえ、自分では見えない部分のため、ほとんどの場合は忘れている。
と同時に、見えないがゆえにバケモノの類いに感じることもある。
24年前くらいに、お世話になっていたリサイクルショップのオーナーで霊能者のミミさんが「これは天と繋がるアンテナだよ」と言われて、これが大きくなってきて気になってきても除去しなかった理由だ。
特に、外科的に除去するのは、大切なものを失ってしまいかねない、と、東洋医学の診療所では診ていただいたことがあるが、その後も大きくなったり小さくなったりを繰り返しながら長い時間が過ぎた。
粉瘤の真ん中に穴を開けて、中の脂肪を取り除く。これにかかった時間は5分くらいだ。あっという間に消えてなくなった。
粉瘤としては大きなものだったため、皮膚科ではなく形成外科が専門だということだった。日頃、医者にかかることがないため、形成外科をこのことで初めて知った。