子供の頃には、存在したもの。
それについて語る老人の慈しみに満ちた眼差し。
目を細めて、その脳裏に浮かぶ風景を壊さないようにそっと両手で包み込もうとしている。
失われたものを懐かしみ、次の世代に伝える。
次の世代は、その愛情を受け取って、自分のものにしていく。
それが永遠につながっていく。
そのためには、今の時代にも老人の子供の頃を想像できるかけらを必要とするのだ。
そのかけらを残していかなければ、その愛情をうまく引き継ぐことができなくなるだろう。
ぼくらはかけらを残していくことをライフワークにする。