ぼくは、20歳のときに初めて海外へ行った。大学2年生だった。アフリカのケニア。タンザニアのひとり旅だ。
そこで、面白い日本人にも出会った。その多くが、当時の文明社会に問題を感じていて、精神世界に傾倒している人も多かった。
とりかえのきく世界と、とりかえのきかない世界との往来の自由。きっと、その人たちなら、みんな賛同してくれるだろう。
量より質の生活。働かざる者、食うべからず、という強迫観念から解放されて、時間をかけて質をまっすぐに見つめる。
生きること全体で、それを体現していく。視界は開かれた。