gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

古び

人は、多様なもの、自分が把握しきれないものと関わることによって、進化してきた。

未来を開くのもまた、そのようなものとの出会いだ。

森の中へ深く分け入れば、出会いは可能だけれど、現代の生活ではその機会は限られている。



都市の中でも、出会いは可能だろうか。

空間づくりに携わる人間として、ぼくはその可能性を追求していきたい。




例えば、風化。

新建材のケミカルなものを除けば、全てのものは風化していく。

風化による表面やかたちの変化は、ぼくたちの想像力をはるかに超えていく。

時間の作用は自然がつくるものであって、それを人が模倣しようとすれば、本来の豊かさは失われ、単なる予定調和の一つに陥ってしまうのだ。



思いを実現するために、始めようとしていることがある。

外に在って風雨に晒され、風化したものから、心にかかるものを見つけ、それを新しい内装空間に持ち込む、というものだ。

壊れ行くものを、新たにつくるものと共存させることで、重層的な時間を感じることもできる。





まずは、熊本地震によって、全壊した父方の実家から、使用できるものを探すことから始めようと試みたが、瞬時の差で更地になるのが先だった。


風化したものをプロジェクトに合わせて得るのは簡単ではないが、この企てに興味を抱いてくれる人は少なくない。


有志が集まり始めた。


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