gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2017.6

傘と日本人

アメリカで暮らして気づいたのは、アメリカ人は少々の雨では傘を差さない、ということだ。身軽であることを好む、ということか。ぼくもそうだから、その文化の下では暮らしやすかった。日本で暮らすと、雨の中、自分だけが傘を差していない、という状況が多…

映画 セッション

2014年。デミアン・チャゼル監督。アメリカ。 潰されても、立ち上がる。本当の才能は、そのようにして、日の目を見るようになるのか?潰すことが仕事である、との自覚のもとに、過酷な指導を続ける師。 そのエネルギーが凄まじい。 それを跳ね返そうと、…

医療について

小林麻央さんが亡くなって、病気について気にする女性が増えているらしい。妻も、自分の感じるちょっとした異変について、まずは医者に診てもらおう、と動いている。小林麻央さんは、楽観的で、前向きな人だったと聞く。例えば、癌かどうか「五分五分」と言…

突破力

難問にぶつかったとき、ずっと考え続けて、寝てるときも頭から離れない。この性分を持って生まれたことは、とても幸福なことだと思う。粘り強いこと。それが突破するための唯一の方法。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実…

パンチングメタル

パンチングメタルのメーカーは関西ばかりで、東京近郊に見つからない。東京でそれを細かく調査して使用するには時間がかかる。そんな材料があるのだな、と驚いた。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリ…

写真の背景

写真の背景となるような空間。カメラマンであるクライアントに依頼される空間は、空間とはなにか、を改めて考えされせられる明確な尺度を与えられる。自然の力を借りることなく、その空間をつくることは不可能だ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリ…

命の終わり

最近、陽向が寝るときのお話で、主人公が死んでしまう話をすることが多い。ぼくは、あらかじめ何も考えていないから、話しているうちに、この人は死んでしまうのが自然だ、と感じてしまうからだ。命に終わりがあることは、子供の方がよく知っているのかもし…

都市を動かす力

東京R不動産の林厚見さんがブログで、都市を動かすのは「資本・技術・欲望」だと語っている。それに対して、建築家は資本の力を批判し、技術にあまり関心を持たず、欲望は3%のインテリにしか理解されないような人が多いから、都市に影響を与えられない、と…

静けさ

子供が静けさを求めることは稀かもしれない。けれど陽向にも静けさを求めるときがある。積極的にそれを求めるときに、彼が何を考えているのかに、ぼくは興味がある。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオ…

祖父母とともに

祖父母と一緒に暮らすような、温かくて、無意識の発見に満ちた空間。生へ向かう命と、死へ向かう命。重層的な時間がそこに流れる。新たな空間がつくられるとき、そこに古い材料を持ち込むことが、普通のつくられ方になることをぼくは祈っている。 ← 創造性の…

願い

どのようにありたいか?それを静かに見つめる心は、いつも美しい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

古び

人は、多様なもの、自分が把握しきれないものと関わることによって、進化してきた。未来を開くのもまた、そのようなものとの出会いだ。森の中へ深く分け入れば、出会いは可能だけれど、現代の生活ではその機会は限られている。 都市の中でも、出会いは可能だ…

精肉と性格

肉売り場で、タイ産鶏肉と国産鶏肉の単価の違いを見ながら、生前この鳥はどんな鳥だったんだろう?と考え込む。いや、一つのパックの中には複数の鳥の肉が入っていて、これらの鳥は、それぞれどんな性格だったのだろう?などと考えてしまうと、きりがなくな…

火垂る

千葉の清和の里にホタルを見に行った。「火垂るの墓」を見たばかりだったから、たくさんのホタルが舞うのを見ながら、人の魂について思ってしまった。陽向は年々、ホタルを愉しめるようになってきた。もう「怖い」とは言わない。ずっと静かに佇んでいる人が…

これからの仕事

10年ほど前は、まだどこの会社にもルーティンの仕事というものがしっかりとあって、例えば、若い会社が何か新しい価値をつくり出そうとする活動を始めたときに、応援しよう、という気風があったような気がする。けれど今は、その屋台骨を支える仕事が欠如し…

思い出

思い出したくないことだってある。忘れなければ生きていけないこともある。そんなことも混じり込んだ、がれきの山は、やはり美しさを生みだす可能性に満ちている。そこから美しいものを見い出して、新しい何かをつくっていく。生きるとはそんなことじゃない…

ガラスと石

天然石の外観を真似て、結晶化ガラスがつくられている。その表面は大理石に確かに似ている。だが、断面を見ると、結晶化している層が連続しながら重なっている。そこは、大理石とは似ても似つかない。で、私が気になるのは、その断面。結局、魅力を感じるの…

通りがかり

予約をして店に入るより、通りがかりで気になる店に入りたい。別に、特別なものを求めているわけではない。何かを感じることができたら、ラッキー。それでいい。だから、よかったとか、悪かったとか、言わない。結果は、今日のぼくの感受する力に因るところ…

信頼性と価格

信頼性と価格は比例するべきものだが、実情として、それを正しく証明するすべはない。だから、安いものを使うことを検討するのは間違っていない。そのリスクをだれが負うのか、それさえ間違えなければ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレー…

ハチの15度

ハチは蜜を採取する花の集まりを見つけると、集団で会議を開き、飛んでいく範囲を決めるそうだ。そして、その範囲は、情報を集めるときに飛んだ範囲より15度開いているそうだ。その15度で、新しい何かを見つけていく。未知の未来へ向かって開くための15度。…

型破りな面々

Yさんの結婚式で、軽井沢へ行ってきた。「創造性の連鎖」についての私の大阪での講演で出会った人で、その後、Yさんが神戸に呼んでくださって、Yさんの周りの方に向けて講演をさせていただいた。ぼくよりも二回りくらい若い人だが、その後、世界中を飛び回っ…

Standing Feathers

もしくは、 羽毛を逆立てる、鳥の求愛。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

ぼくにできること

ぼくには、見えない境界が見えるくらい、境界に対する意識が強いのだと思う。それは自分の殻となって、ずいぶん自分にできる範囲を狭めてきただろう。何度か、その殻が外れたタイミングがある。アフリカに行ったとき、「あれっ、殻がない!」と気づいた。ア…

大きいこと

大きいとか、小さいとかは外から見ていえることであって、内から見れば大小はない。例えば、天皇だったり、首相だったり、大企業の社長だったり、国というレベルの存在の人と、自分は別世界にいる、と思って生きている人はとても多いだろう。ぼくもそうだ。…

メンブレン

傘のように光を透過する膜で二次曲面をつくることの自由度は大きくて、魅力的な課題だ。そのかたちをつくるためには、まさに傘のように骨が必要で、骨の部分をつくるのは、鉄を扱うぼくらの得意分野だ。膜のやわらかさと軽さが心地よい。胎内をすぐに連想し…

生身

生身の人間を感じたい、という人が増えている、という。映画やテレビよりも、劇場で目の前で演じる人を感じたい。劇場の予約は、何が演じられるかが決まっていない未来まで、いっぱいなのだそうだ。ヴァーチャルな世界がここまで発達してきて、生身の人間に…

逆立つ羽毛

羽毛を逆立てた鳩は、自分を大きく見せようとしている。彼はきっとオスで、メスに対する求愛のポーズなんだろう。ぼくらが好きな女性の前では背筋をまっすぐにしようとするのと同じだ。虚勢を張っている、といわれては悲しい。精一杯、かっこいい自分であろ…

映画 火垂るの墓

1988年。高畑 勲監督。 「火垂る」という表記は、「火を垂れさげる」という意味らしい。そのような想像が、ホタルという名前に。人は、死者に対する鎮魂の心を、この虫に託して眺めるのだろう。それは、また、これから生まれ出るものの魂でもある。ぼく…

自我

自分の頭で価値を判断するようになったのはいつ頃だろう?自分と他人の思いや考えの違いに気づいたのはいつ頃だろう?陽向もだんだん自我が出てきたところだ。 頑として、聞かないことも出てきた。それが頼もしくもある。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイ…

夏の始まり

陽向はこの日を待ちに待っていた。夏には、カブトムシやクワガタがいる。6月1日は夏の最初の一日と彼は受け止めているのだ。そんな突然、昨日までいなかったカブトムシが出現するわけではない、と諭すのだが、彼の頭の中では、クヌギの森へ行けば今日からカ…