gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

他人の欲しいもの

陽向が小学校のダンス部として港区のイベントのステージで踊るのを見に行った。

その後、パントマイマーが風船アートづくりを子供たちの前で披露して、つくったものを子供たちにプレゼントする、というのがあって、陽向も楽しそうに輪に加わっていた。

大勢の中では、かなり控えめな方で、「欲しい人!」と言われると、輪の後ろの方で手を上げる。それではなかなかもらえない。

しかし、思わぬチャンスが巡ってきたのは、風船アートでアンパンマンがつくられたときだ。アンパンマンは小学生にはもっと「ちっちゃい子が好きなもの」の象徴的存在で、少しマセた子は「アンパンマンか、いーらねえ!」と言ったりする。

誰かがそういうと、手を上げたがらないのが集団の心理だが、そんなことは気にしない陽向は勢いよく手を上げて、難なくゲット。

満面の笑顔で、ぼくらの方へ駆け寄ってきたが、ちょっとだけ気になったのか「誰も手を上げなかった?」と聞いてくる。

「そんなことないよ。何人も上げてたよ。」いつもは20人くらいが上げているけれど、今回は3、4人だった。でも、嘘じゃない。

よかった。本人は満足げだ。

大人になるにつれて、他人の欲しいものを欲しがるようになる。人間のちょっと残念なところだ。

陽向は、できるだけ人の目から自由であってほしい。

空気を読むのは、そこそこでいい。


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