どのようなプロジェクトも、結局のところ大事なのは「人」である。
このプロジェクトでは、まぶしい光とさわやかな風を感じられるような人に出会った。
それがどこからくるものなのか、正確には分からないけれど、きっと言葉にはならない深いところに核をしっかりと持っていらっしゃるからだろう。
それは、表層から来るものでは決してない。
その人が『ウェディング・カフェ』をつくりたいと言われる。
人生の中で最も喜ばしい日を過ごす場所と、日常の束の間の安らぎの場所をひとつにする試みだ。
二つをつなぐ言葉を、その人の仲間も含めてのインタビューの中で探しているうちに、ある言葉に行き着く。
「感謝」
その人からとめどなく溢れ出ているものは、ふれあうもの全てに対する感謝の気持ちなんだ、と気づく。
この感謝の気持ちを空間に込めて、その人を感じられることがこの空間を訪れる人々を祝福し、癒すのではないか。
ぼくは白い花びらに包まれる空間をイメージし、周囲をフレームオブジェで囲んだ。
それは、生命力に満ちたエネルギーになり、火になり、水になり、風になる。
きっとその「人」が、空間のそこらじゅうを飛び回っている。
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