gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2016.8

夏の終わり

この時季になると蝉よりも秋の虫の音を聴く方が多くなる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未来の町並みをつくるファサードデザイン:GFファ…

蒸気機関

蒸気機関が発明されて以来、地球は温暖化へ向けて進み始めたといえるだろう。蒸気機関の集積である工業地帯の蒸気が所々に霧のように立ち込めている姿は、ぼくが小さい頃から今に至るまで、かっこいいイメージがある。複雑な配管に覆われた姿は、生き物の内…

入江長八

道を曲がると、フォーマリスティックな建物が目に飛び込んできて、車を止める。伊豆の長八美術館だ。鏝絵(こてえ)の創始者は、西伊豆の松崎町の出身だと知った。江戸末期から明治初期にかけて生きた人だ。伊豆の長八美術館は、平成4年の完成した当時に建…

コテージ

コテージに泊まる旅をすると、それぞれの場所にある生活が垣間見えてくる。ホテルではそれを感じることができない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実…

カブトムシとノコギリクワガタ

一匹で生活していたカブトムシの箱に、ノコギリクワガタを入れた。すぐに弱って死んでしまいそうだったカブトムシが、急に元気になった。カブトムシの威厳を取り戻したかのようだ。時折、小競り合いの音が聞こえてくるが、それはそれで相手を生かしているの…

自然エネルギー

昨今、耳障りがよく、これほどクリーンなイメージを纏った言葉もないだろう。かつては夢のような話として、到底主力エネルギーにはなれないだろうと思っていたが、今では誰もケチのつけようのない実質を伴いつつあるような印象を受けている。自然エネルギー…

植物化

森の中で、罠にかかった鹿が、必死にそれから逃れようとする。そうしているうちに、何千年の長い年月が経って、そのかたちのままで植物化してしまった。森全体が、そのようにしてできている、と想像してみる。魂は残されているが、感情は鎮まっている。植物…

「小さきもの」の森

森の奥深くに小さきものの町がある 少し遠くからでも、 いくつかの木の上に ほんわりと個々の家の灯りが浮かんで見える 彼らの生活を見たいと思うなら、 物音を立てないように ゆっくり近づいていかなければならない そして、ぼくの体の大きさに、 彼らが怯…

映画 花様年華

2000年。香港。ウォン・カーウァイ監督。1962年の香港が舞台。ジャーナリストのチャウ(トニー・レオン)は妻と共にあるアパートに引っ越してくる。同じ日、隣の部屋にはチャン夫妻が引っ越して来ていた。チャウの妻とチャン夫人(マギー・チャン)の夫…

とめどなく溢れ出るもの

どのようなプロジェクトも、結局のところ大事なのは「人」である。このプロジェクトでは、まぶしい光とさわやかな風を感じられるような人に出会った。 それがどこからくるものなのか、正確には分からないけれど、きっと言葉にはならない深いところに核をしっ…

ロシアひまわり

誰が植えたのか、3.5メートルはあろうか、という大きなひまわりが突如道にそびえ立つ。「ロシアひまわり」という札が付けてある。やはり、ロシアはでかい。花の表側のはつらつとした美しさもさることながら、裏側にある、メカニカルにも見える棘のような突起…

縄文

“人間は宇宙の大いなる意志によって生かされている”という自然観は、日本人が縄文時代から受け継いで、数千年に亘って洗練させてきたものだという。時折天から降ってくるかのような「直感」は、この自然観に関係するものかもしれない。その直感に従って生き…

海外

外国のことを「海外」と呼ぶのは、日本が島国だからだ。彼の国とは海によって隔てられている、というイメージは、外国に対する想像力をひときわ強く掻き立ててきただろう。想像の産物は、あるときは強い憧れになり、あるときは強い嫌悪になる。が、所詮は想…

森の灯り

森の奥深くにほんわりとたくさんの小さな灯りがともるそんな空間をイメージしながら、デザインしている ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未来…

いろはにほへと

10世紀頃につくられたといわれる「いろは歌」は、「色は匂えど散りぬるを」で始まる。視覚と嗅覚が交換し合う、などの共感覚はこの国では遠い昔から一般的であって、詩的な趣きを醸し出していたのだろう。ぼくは古文に暗いが、いにしえの世界にぼくらと通じ…

数字

「ねぇ、いちばん大きい数字は何なの?」陽向がぼくを見上げて訊く。一年位前には、100だと思っていたようだった。お風呂に貼ってある公文の数字表が100までだったからだ。100までの世界、ってどんな世界だろう?「数字はね、ずっと続くんだよ」でも、どの数…

理想

つくる仕事の理想形は、「よいものをつくる→それを見た人が新たな仕事をくださる」の繰り返しだ。人生は短い。よいものをつくることだけを考えよう。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材によ…

繰り返し

何度も同じことを繰り返す中でしか、次のステージへは行けない。少しずつ、よくなっていく。続けていれば、必ず。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験…

目に見えないもの

世界には目に見えないものがたくさんあるとしても、それをコントロールすることなどできない。ぼくらはただ現実に対処するだけだ。もしくは、ヨブのようにただ耐えるだけだ。そして、いつも自分のやるべきことだけに集中する。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デ…

愉しい時間

アパレルの第一線にいらっしゃるアーティストに、「一番愉しいのは、何をしているときですか?」と質問したら、しばらく間があった後、「什器に服をディスプレイしているときです」とお答えになった。やはりクリエイティブな人にとっては、試行錯誤のときが…

遠いオリンピック

地球の裏側で行われているオリンピックは、ぼくら家族にとって、異常なくらいに縁のないものとなっている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← …

MOYURU

目に見えているもので、目に見えないものを想起させる。総じて、芸術とはこれを目的としているのだとはいえないだろうか?だから、一畳半の茶室で無限の世界に至ることを意図した利休の例をはじめ、芸術としての空間は常に、現前する空間とは遥かに別世界へ…

術師

マルクスは、ものを売るという行為には「命がけの飛躍」が伴う、と言っている。商品の価値は、売り買いが成立する前には特定できないからだ。店舗空間をつくるならば、この「命がけの飛躍」を成立させるための幻術が必要だ。だから、店舗空間をつくる者たち…

背筋

どんな状況にあっても、背筋をピンと伸ばして、飄々としていること。最近、他人の後姿を見て、思うことが多くなった。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス…

浜離宮から浅草まで、初めて船で移動。約1時間だが、隅田川を遡って、いろんな橋をくぐっていくのは楽しい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← …

休息

人間じゃなかったら、何になりたいかなあ、とふと考える。カラスか、犬か、カブトムシか、アリか、…。その、かなわないことを考えるのが、最大の休息かもしれない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリ…

映画 美しき諍い女

1991年。フランス。残念ながら、4時間を超える長い映画を見続けることができなかった。老画家とヌードモデルの格闘を延々と見る映画のようだ。本物の画家が、画家を演じているため、画面に描かれていく線を見るのは愉しい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗…

脛骨と腓骨

人体の骨を見てみると、手足ともに、付け根から半分は1本の骨、半分から先は2本の骨でできていることが分かる。先の方がより複雑な動きに対応するからだろう。サッカーについていえば、試合中、膝下にある脛骨と腓骨が目まぐるしく複雑に動き回っているだ…

tumbleweed

(出典: https://lessonslearntlastnight.files.wordpress.com/2013/03/tumbleweed3.jpg ) 炭火焼イタリアンcaccia al tesoroの入口内部付近に自然エネルギーを利用して、ある仕掛けをつくった。モチーフにしたのはtumbleweed(回転草)だ。お店のテーマであ…

スタジアム

入った瞬間に体が躍動感に包まれるまるで横長の球体の中に入り込んだような錯覚におちいる楕円にかけられた屋根のラインが上の曲線を描き、すり鉢状に並ぶ観客席の横のラインが下の曲線を描くからだ 何万人のエネルギーが上下の曲線の中に集約され波動となっ…