飛んでいるヘリコプターの灯りを見上げて、はしゃぐ陽向を見て、子供の頃はパイロットになりたかったことを思い出した。
地平線の向こうの見たことのない世界へ行きたい。そこへ連れて行ってくれるものが飛行機だった。
大人になるにつれ、気づいたのは、向こうの世界へ連れていくことより、向こうの世界へ行くことに興味があるのだから、自分がなりたいのは、パイロットではなく、旅人だった、ということ。
しかし、今になって、またパイロットはいいなあ、と思う。空を飛ぶことが日常になっているのだから。空のことを知る、なんて、地上にいては無理だ。
なにごとも、手段として見ればただのつまらないルーティンに過ぎないが、目的と見るとき視界ががらりと変わる。
飛行機を手段としてではなく、目的として見る。今からセスナの免許とか、取ってみようかな?