gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 オール・アバウト・マイ・マザー

1999年。スペイン。ペドロ・アルモドバル監督。

目の前で17歳の息子を交通事故で失う母親。母親にとって、これ以上の失意は考えられない。

この映画は、女性の本質として「演じる」という言葉をキーワードとして描かれ、多様な「演じる」女性たちの中で、失意を乗り越え、再生していく主人公を描く。

私がおそらくは男として女性を面倒くさいと感じるときは、女性のこの「演じる」部分を感じるときだ。と同時に、「演じる」ことによって困難な局面をやり過ごしていく女性の強さに「かなわない」と思うときもたくさんある。

そもそも化粧というものがすでに「演じる」行為なのだから、人口の半分を占める女性とは、残りの半分から見てつくづく不思議な生き物である。

(この映画の中の女性には、女性として生きる男性も含まれる。女性を愛する女性も含まれる。)

生の源である混沌を生み出すのも、この女性の「演じる」ところから来るのかもしれない。

男性はlifeとsurvivalを分けたがるが、女性はlifeはsurvivalから来ると笑って言い放つだろう。

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