2011年。ナタリー・ポートマン。
バレエで一流に上り詰めるには、こんなプロセスが必要なんだよ、という映画だとしたら、まず子供にバレエなど教えようとは思わないだろう。
ナタリー・ポートマン演じるニナのいつも無防備な様子に、最後までずっとハラハラさせられる。
観終わった後も、結局これでよかったんだろうか、という疑問が残る。
本人は、これで母親を振り切ることができた、ということかもしれない。
だが、そうやって得た主役の座は、ベスのようにいつかは剥ぎ取られてしまう日が来る。
おそらくは10年も主役を張ってきたベスがその座を奪われたとき、なぜあれほどみじめな姿を晒さなければならなかったのか?
ベスの描かれ方次第で、この映画の印象は違っただろう。
ニナの成功を祝う気持ちには全くなれない。