gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

コペルニクス的転回

柄谷行人トランスクリティーク』の中で、コペルニクス的転回について、

重要なのは、地動説か天動説かではなく、コペルニクスが、地球や太陽を、経験的に観察される物とは別に、或る関係構造の項としてとらえたことである。

と書いてある。

現在は、地動説が証明されているが、生活レベルにいる私たちにとっては、まぎれもなく太陽は東から昇り、西へ沈むものにすぎない。

生活の中で、その認識によって支障が生じることはほとんどない。

私たちが地球上で猛スピードで西へ移動しているとき、絶対的にはそれとは比べものにならないくらいのスピードで東へ移動しているのかもしれないのである。

そして、だからどうだ、ということなどなにもない。少なくとも、私の日常生活においては。

だが、生活の中で経験的に観察される事象とは別に、或る関係構造の項としてとらえることの可能性は、自明と見られていた事象を転回させる可能性につながる。

どんなことだって可能性はゼロではない。

グリッドフレームのHPへ ← グリッドフレームのHPはこちらです