あくまでも自分に関しての話だが・・・。
一人暮らしのときは、家で話す機会もないから、たまに鼻歌くらいは歌っていたかもしれないけれど、はじけるくらいにはしゃぐことなんて、まあありえない。
二人暮らしになると、家の中に会話が生まれて、話すことやふざけ合うことがずいぶん自分を開放してくれるようになった。けれど、大人同士だし、お互いリミッターは付いているから、はじけるってまではなかなか行かない。
そして、子供が生まれると、言葉の通じない相手との奇妙なコミュニケーションが始まった。言葉が通じないということが、自分のリミッターを外してくれる。相手を真剣に楽しませようとして、体を張ったスラップスティックなギャグを毎週のように生み出し続けるようになる。(一週間くらいは、同じギャグが通用する。)自分で言うのもなんだが、完全にはじけている。
これは、20歳の頃、初めてアフリカへ行ったときの開放感そっくりである。そう、言葉の通じない相手との奇妙なコミュニケーションが、自分の知らない自分を引き出した。そんな自分に驚いたことを鮮明に憶えている。
こんなに時間が経ってから、またあのときの自分に会えるとは思ってもみなかった。