あらゆるものを素材として見る。
それが、グリッドフレームの空間づくりの基本方針だ。
あるものを素材として見る、ということは、それに与えられた意味を剥ぎ取って見つめる、ということだ。
そうすることによって、あらゆるものは無限に意味を変容する可能体となる。
それは「もの」にとどまらない。あらゆる「こと」もそれらに与えられた意味を剥ぎ取って見つめることができる。
そして、あらゆる「こと」も無限に意味を変容させることができる。
ただし、自由自在にできるわけではない。自分の洞察力の範囲内で、である。
だから、目の前にあるものの向こう側が見えるように、ものやことを見つめる。
(つづく)