久しぶりに自由が丘の駅を降りた。
これまで自由が丘はグリッドフレームにあまり縁のない町だった。それは、私たちが持つどこかラディカルな雰囲気がこの町にそぐわないと思われたからではないか、と思う。
自由が丘という名前とは裏腹に、自由な気風に欠けている町なのではないか、と勝手に決め付けていたところもあったかもしれない。
ある意味、苦手意識があったのだろう。
苦手意識といえば、柔道をやっていた頃、試合前に頭の中で相手との試合をシュミレーションしてみて、攻める方法が見つからない場合は、まず勝てなかったのを思い出す。私は、自由が丘という町を攻めあぐねていたのだ。
今日歩いてみて、私の感じ方に変化があった。まだ言葉にはできないが、攻める方法が見つかりそうな気がした。
いい店をつくれるという根拠のない自信、とでもいえるような段階だが、すべてはそこから始まる。
それがなければ、何も始まらない。