gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

正義

ジョージ秋山の「はぐれ雲」という漫画で、つぎのようなシーンがあった。

男Aが男Bに刀で切りかかっているところに出くわして、Aを止めたらBは走って逃げて行った。Aに事情を聞くとBは親の仇で長い間ずっと探していた相手だった、という。

見ず知らずの人の争いに首を突っ込むべきではない、というのが作者の言いたいことだったと思う。

そのことを、そのとき英語を習っていたイギリス人女性に話してみた。彼女は、人が争っていたら当然止めるべきだ、と強く主張した。

内容はつまらない正論だが、驚いたのは、その「強さ」である。作者の言いたいことなどには、全く耳を貸さない姿勢を私は忘れない。

私は、その姿勢を好ましく受け止めた。逡巡することのない正義感はさわやかである。

にもかかわらず、人間は逡巡すべきだと思う。彼女のような人間を敵に回すと大変だとしても。

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