gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

悲しみ

悲しくて陽向が泣く。悲しくて叫び続ける彼が眠るまで、抱いたまま立って、ゆっくりとしたリズムで背中をたたきつつ体を揺らす。

悲しみは波のようで、大きく振れたかと思うとしばらく姿を消してはまた大きく振れる。その繰り返しの中で、ほんの少しずつだが振幅を小さくしていく。その変化は彼も気づかないくらいだろう。だが、確実に波は減衰していく。

2時間も経っただろうか、ようやく寝息が聴こえてくる。彼は悲しみをひとつ越えただろうか?

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